リサーチセンターブログ

2012年3月号A < 2012年2月号E > 2012年2月号D

DropboxとiCloud: 少年ダビデ vs. 巨人ゴリアテ?

2012年2月10日
2011年12月22日に米国で掲載されたブログ記事の抄訳です。

私は今日Wired誌のサイトでDropboxに関するこの記事を見つけたのですが、巨人ゴリアテに立ち向かう少年ダビデの有名な神話を思い起こさせて大変興味深いと感じました。つまり、小さいけれど革新的なソリューションが、より大きくずっと高い名声を確立しているソリューションとベンダ (アップル社とその新しいiCloudサービス) と戦っているわけです。この点において、アップルに挑むDropboxの物語はパロアルトネットワークスの物語に似ていると言えます。パロアルトネットワークスも、名声を誇る大手ベンダと競争し、厳しい逆境にもめげず、既に確立されている市場 (ファイアウォール) に新しいイノベーションを吹き込んでいるからです。

david_v_goliath

ファイル共有 (ブラウザ ベース/クラウド ベース) に関する利用の頻度と帯域消費率で比較すると、Dropboxは地理的な個別の地域だけでなく世界全体で見てもiCloudを凌駕していることがわかります。ただし公正を期すと、iCloud App-IDは2011年10月末に追加されたものであり、この比較は適正ではあるものの、すでに定評のあるDropboxサービスと比べるとiCloudの新しさは考慮されていません。より公正な比較は2012年10月における使用量と帯域幅が判明してからということになります。

icloud vs dropbox comparison
地理的な個別の地域におけるiCloudとDropboxの比較

もう1つ興味深いポイントは、Dropboxが多数の競争相手でひしめく市場で自社サービスを差別化しているという点です。2008年以来、ブラウザ ベースのファイル共有アプリケーションの数はApplipediaで現在確認されているものとして22種から71種へと3倍以上に増加しています。この増加を生んだ要因は2つあります。1つは新しいアプリケーションが市場にリリースされ続けていること、もう1つはApp-IDがデータベースに追加され続けていることです。成長の理由が何であれ、この市場セグメントは競争相手であふれています。

2011年4月から2011年11月までの間に、それぞれ固有の65種のブラウザ ベース (またはクラウド ベース) ファイル共有アプリケーションが見つかりました。平均して13の変種が1,506社 (92%) で利用されていました。利用されているアプリケーション変種の数に基づくと、1組織あたり平均13個となる変種の数は多いと考えられます。これよりも変種の数が多いアプリケーションは、写真/動画 (29変種) とソーシャルネットワーキング (16変種) の2つのアプリケーション カテゴリだけでした。

dropbox compared to other vendors like megaupload, mediafire, and filesonic
ブラウザ ベース/クラウド ベースのファイル共有の比較 - 利用頻度と帯域消費率

近々発行される『アプリケーションの使用およびリスク分析レポート』によると、Dropboxはこのカテゴリでもっとも一般的に利用されているアプリケーションであり、消費する帯域の割合としては2番目の使用量となっています。自分を他者から差別化するという点でDropboxが正しい道を歩んでいることは明らかです。私の見た限りでは、Dropboxは操作が簡単で信頼性が高く、比較的高いセキュリティも備えています。繰り返しになりますが、Dropboxとパロアルトネットワークスにはいくつかの類似点があります。 両社とも、競争の激しい乱戦模様の市場において差別化を図ることで特有の課題を克服しているのです。

それでは2012年にお会いしましょう。

2012年3月号A < 2012年2月号E > 2012年2月号D