ケース スタディ

【JX金属株式会社】
新たなグループ共通ITインフラの整備を進めるJX金属 ゼロトラストの実現を目標にPrisma AccessとCortex XDRを導入

リリース日: 2022年1月11日

クラウドからエンドポイントまで包括的に対応できるパロアルトネットワークスのソリューションを選定

JX金属は、ビジネスの拡大やコロナ禍による働き方の変化、昨今の高度化するサイバー攻撃の脅威に対応するため、グループ内のITイン フラを刷新し、クラウドを活用した共通化を進めている。そのITインフラにふさわしい新たなネットワーク/セキュリティソリューションの 導入を決めた同社は、複数製品を慎重に比較検討した結果、パロアルトネットワークスのクラウドセキュリティプラットフォーム「Prisma Access」、およびSaaS型エンドポイントセキュリティ「Cortex XDR」を選定。両ソリューションを組み合わせて導入したことにより、在 宅勤務・テレワーク環境を含むネットワーク/セキュリティの安全性が飛躍的に向上し、業務の効率化とスピードアップ、本社によるセキュ リティ状況の可視化・統制強化などの効果が得られたという。


概要情報

お客様

JX金属株式会社

本社所在地

東京都港区虎ノ門2-10-4

業  種

金属


導入背景

  • グループ全体のITインフラを可視化し、昨今の高度化するサイバー攻撃への対応をグループ全体で網 羅的に進める必要があった。
  • 重要素材のサプライヤーとして、取引先からの高度なセキュリティ対策の要請に応える必要があった

ソリューション

  • ゼロトラストモデルのITインフラ運用を実現する「Prisma Access」を導入
  • EPP/EDR機能を備えたエンドポイントセキュリティ「Cortex XDR」を導入

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グループ内のITインフラの共通化を目指す

JX金属は1905年に創業した日立鉱山(のちに戦前の十五大財閥の一つ、日産 コンツェルンへと発展)を源流とする大手非鉄金属メーカーだ。創業以来の主力 事業であった鉱山開発・資源調達事業、非鉄金属の製錬事業を今の時代に継承す るとともに、IoT・AIが進展する社会に欠かせない先端素材の製造・開発事業、使用 済み電子機器から有価金属を回収するリサイクル事業など、銅・レアメタルを中心 とした非鉄金属に関する多彩なビジネスをグローバルに展開。現在は国内外に約 50社の関係会社を有している。

そんなJX金属グループでは、基本的に各社が独自のITインフラを構築・運用し ていた。ところが近年の事業拡大、さらにはコロナ禍の影響による働き方の変化 に伴い、さまざまな課題が浮き彫りになったという。

「昨今、報道されているサイバー攻撃の脅威や、お客様をはじめとした社外から のセキュリティ強化要請を受け、JX金属グループ全体の網羅的なセキュリティ対 策強化の必要性を感じていた。また、取引先はもちろん関係会社とのコミュニ ケーション・情報共有はメール中心の非効率なものでした」(根上氏)

特に各拠点のネットワーク上の脅威を可視化し、迅速かつ適切な対応が取れる 仕組みを模索していたという。

「セキュリティ対策については当社のお客様からも要請を受けていた。そこで JX金属グループのネットワーク/セキュリティを全面的に見直し、新しいグロー バル展開可能なITインフラを構築することとしました」(根上氏)


包括的な運用管理が可能なパロアルト製品を選定

JX金属が目指したのは、グループ全体のネットワーク/セキュリティを把握し て主体的に運用管理できる斬新かつ柔軟な共通ITインフラだった。それを実現 するために、JX金属本社の統制のもとにセキュリティを運用管理する仕組みに切 り替えることを決定。同時にゼロトラストモデルなどの新しい概念も取り入れなが ら「ボトルネックのないITインフラ」を整備し、国内外のグループ関係会社も順次 展開していく方針を固めた。

「まずは世の中にあるネットワーク/セキュリティ技術のベストプラクティスを 収集するところからスタートしました。ボトルネックのないITインフラを整備する という観点から、クラウド、SD-WAN、拠点ネットワーク、エンドポイントにすべて 対応でき、統合的に運用管理できるソリューションを比較検討しました」(根上氏)

その結果、JX金属が採用したのが、パロアルトネットワークスのクラウドセキュ リティプラットフォーム「Prisma Access」、およびSaaS型エンドポイントセ キュリティ「Cortex XDR」の組み合わせだった。ゼロトラストモデルの考え方に 則ったネットワーク/セキュリティの運用管理を包括的に実現できる唯一のソ リューションであったことが、パロアルトネットワークス製品を選定することにし た決め手だという。


ボトルネックのないITインフラの実現を見込む

JX金属が共通ITインフラのネットワーク/セキュリティソリューションとしてパ ロアルトネットワークス製品の導入を決めたのは、2021年5月のこと。2021年 10月から新しい共通ITインフラの構築に本格的に着手し、現在はまさに取り組 みの真っ最中。Prisma Access、およびCortex XDRによる新しいネットワー ク/セキュリティについては、基本設計とトライアル運用によるテスト・検証を進 めている段階だ。ちなみに、Prisma Access、およびCortex XDRの設定・運 用管理については「非常にわかりやすく、操作しやすい」(根上氏)という印象を もったという。

「新しい共通ITインフラの本番運用開始は、2022年内を予定しています。一 部の関係会社も含め、約4,000人が利用するITインフラにPrisma Accessを 導入して順番に切り替えていく計画です。また、社員が利用するエンドポイント にはEPP(Endpoint Protection Platform)/EDR(Endpoint Detection and Response)機能として、Cortex XDRの導入を進めていきます」(根上氏)

パロアルトネットワークス製品の導入により、JX金属ではどのような効果が得 られることを見込んでいるのだろうか。

「在宅勤務・テレワーク環境で働く社員の生産性を低下させる原因になってい たインターネットVPNへのトラフィック集中を解消し、ボトルネックのないITイン フラを実現して業務効率化とスピードアップの効果が得られるものと期待してい ます」(根上氏)

また、本社のIT部門にとっては、ネットワーク/セキュリティの状況を可視化 し、効率的なセキュリティの運用管理ができるという効果を想定しているとのこ とだ。

「パロアルトネットワークス製品を導入することにより、当社が抱えていたITイ ンフラの課題はすべて解消されると見ています。そしてJX金属グループだけで なく、お客様も含むすべてのステークホルダーに対し、安全性・信頼性の高いITイ ンフラを運用していることをアピールできるようになると思っています」(根上氏)


IT管理者のセキュリティに対する意識の向上も視野に

JX金属で運用を開始したITインフラは、国内のグループ関係会社、海外拠点へ の展開も視野に入れている。可視化されたネットワークや端末の脅威情報をグ ループ内の管理者と共有することで、各管理者のセキュリティに対する知見や意 識の向上も図っていくという。

「私たち本社側がグループ全体のITインフラのネットワーク/セキュリティをす べて集中管理することは無理があると考えています。すべてのネットワークを網 羅して対策していくには、各拠点のIT管理者の協力が欠かせません。可視化され た脅威情報を共有し、各々が自発的にセキュリティ対策に取り組めるような仕組 み・体制に繋げていきたいと考えています。」(根上氏)

パロアルトネットワークスのPrisma Access、およびCortex XDRは、本番 運用を控えたJX金属の新しいITインフラを、長きにわたって支え続けていくこと になるだろう。

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